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ジェグテック登録企業と東北大学の連携について
(後編)

TOHOKU UNIVERSITY × J-GoodTech

ジェグテックでは、中小企業と大学などの教育・研究機関とが、
オンライン上でさまざまな目的の情報交換を進めることができます。
なかでも東北大学は、国立大学として初めてジェグテックを活用し、
中小企業との連携に力を注いできました。すでに形となっている連携の実例とともに、
東北大学の産学連携活動を前編・後編の2回に分けてご紹介します。

大学の技術支援を受け、一企業では困難だった試作開発を実現。

事例3 | 東北大学、バイスリープロジェクツ株式会社、引地精工株式会社の連携

1.東北大学との連携経緯

現在自動車塗装に関する外観品質要求は非常に厳しいものとなっていて、その中でも微小な凹凸や塗装のブツに関しては、10μmの凹凸の検知が必要となっています。そのため生産現場の最終工程では、目視による官能検査に頼っている状況ですが、官能検査では下流工程への流出が発生し、品質課題の一つとなっています。こうした生産現場における課題を解決するために、経済産業省のサポイン補助金を活用し、東北大学の青木孝文教授アドバイスのもと、バイスリープロジェクツと引地精工が共同で外観検査ロボットを開発しました。

2.具体的な連携内容

バイスリープロジェクツが「変曲線マッチング法」という外観検査アルゴリズムの開発を、また引地精工が検査対象物に高精度のスリット照明を照射するための、EL照明を使った光学ヘッドの開発を担当しました。開発した外観検査ロボットは、自動車メーカーだけでなく、家電メーカー等にも納入され、生産現場の生産性向上に役立っています。

事例4 | 東北大学と株式会社福田結晶技術研究所との連携

連携プロジェクトの概要

身近にある機械などの揺れから電気を生み出す「振動発電」という技術があります。振動発電は振動を与えると磁界が変化し、微弱な電気を生む磁歪合金を利用していますが、この磁歪合金の効率向上が課題でした。福田結晶技術研究所は東北大学の福田承生名誉教授が2002年に設立した大学発ベンチャーであり、東北大学との長年の共同研究により、新しい鉄ガリウム合金の単晶製造技術を開発しました。この製造方法を用いることで、直径2インチ、長さ10cm以上を一度に作ることができ、磁歪合金の効率が大幅に向上します。将来的に振動発電は、スマートフォンを充電する外部電源や、自動車のタイヤ空気圧を診断する電源にも応用できます。

事例5 |東北大学と弘進ゴム株式会社との連携

1.東北大学との連携経緯

1990年後半に流行したO157などにより、食品工場の多くが衛生対策を強化、細菌が付着しないコーディングを実施した結果、従来よりも床が滑りやすい環境となってしまっています。食品加工工場や厨房などで使われている従来の防滑靴は、滑った時の止まりやすさ(動摩擦)を重視する製品は存在していましたが、滑り出しにくさ(静摩擦)を重視した製品はほとんどない状況でした。東北大学の堀切川教授はこの滑り出しにくさ(静摩擦)に着目、弘進ゴムとの連携により、今までにない画期的な防滑靴を開発しました。

2.具体的な連携内容

開発においては何種類ものソールパターンを製作し、耐滑性の評価を実施。その結果、粗面と鏡面を組み合わせた今までにないソールパターンにたどり着きました。この画期的な防滑靴は「第五回ものづくり日本大賞経済産業大臣賞」を受賞するだけでなく、製品を納入した食品製造現場では、転倒による労働災害がゼロになった工場も出てきています。

ジェグテック登録企業と東北大学の連携について(前編)を見る

今回ご紹介した企業

幅広く事業展開を目指す企業の方は、
ぜひジェグテックをご活用ください。

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