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スクリーン印刷技術で小ロット多品種に対応
回路設計から印刷加工までをワンストップで実現

株式会社東洋レーベル 専務取締役 仁藤 智之 氏

ABOUT COMPANY

スクリーン印刷技術を通して、多くの機械・電子機器メーカーの要望に応えてきた東洋レーベル。
一般的な加飾印刷だけでなく、回路印刷といった機能を持たせた印刷にも対応できることが大きな特徴です。
さらに、2010年にはシーク電子工業の事業譲渡を受け、電子機器事業部を設立。
基板の回路設計から加工までできるようになり、事業の幅を広げています。
時代の変化とともに新規事業を立ち上げ、成長を続けてきた東洋レーベルのこれまでとこれからを
専務取締役 仁藤智之氏に伺いました。

回路設計から印刷加工まで
ワンストップ

東洋レーベルは、1977年、段ボールのパッケージ事業を営んでいた東洋ケース株式会社のシール印刷部門が独立する形で設立されました。当時は、京都にあるメーカーの産業用機械や医療機器などに表示するラベル印刷が主な事業でした。1988年、お客様からの要望が大きかったスクリーン印刷に参入します。その後、回路印刷といった機能印刷技術の開発にも力を入れ、小ロット多品種に対応できる体制を作りあげました。さらに、2010年にはシーク電子工業の事業譲渡を受け、電子機器事業にも参入。従来の印刷技術と組み合わせることで、主要得意先である計測・電気機器メーカーの新たな要望も自社内で完結できるようになりました。
「もともと工業系製品の意匠部分の印刷のご要望が多かったのですが、スイッチの回路印刷などにも対応していくにつれて、精密印刷、加工という仕事がメインになってきました。回路設計から印刷、加工、品質検査といったところまでワンストップで対応できる会社は、他になかなかないと思っています」と仁藤氏は話します。

ワンストップで対応しますと話す仁藤専務取締役
ワンストップで対応しますと話す仁藤専務取締役

さまざまな製品を自社開発

東洋レーベルは、差別化を図るため、特徴的な製品を数多く生み出してきました。触れるだけでスイッチのON・OFFが切り替えられる「静電容量タッチスイッチ」は、スクリーン印刷技術を使って製造しているので、曲面にもスイッチを配置することができ、一般的なものより、小ロットでも安価に提供することができます。また、軽快なクリック感がある「メンブレスイッチ」は、電気を通すインクを利用して接点や配線をフィルムに印刷する薄型スイッチで、生産性の向上にも成功しました。加飾印刷では「立体転写シール」という独自の技術を開発。シルクスクリーン印刷でありながら、本物の蒔絵に近い形で、立体感を出したり、金箔を使って高級感を出すことが可能となりました。製造機器のロゴ部分から化粧品など高級嗜好品の装飾まで、さまざまな用途で利用されています。簡単に真似できる技術ではないため、偽造防止にもメリットがあると言います。

自社開発したさまざまな製品
自社開発したさまざまな製品

ラベル外観検査装置も
自社で開発

さらには、ラベルの不良がないかを検査するラベル外観検査装置や印刷物検査装置も自社で開発しています。
「品質を高めるため、検査コストは膨大なものになります。それを少しでも効率化しようと、担当者の声をもとにラベル外観検査装置を開発しました。初めは自社向けだったのですが、同業他社にも評判が良く、販売することにしました。今は他の作業も効率化できないかと、数量検査装置や加工機械などを開発しているところです」と仁藤氏は話します。

ラベル外観検査装置
ラベル外観検査装置

UL規格ラベルの
認定工場

また、UL規格ラベルの製造工場として認証を受けているのも大きな特徴です。UL規格とは、アメリカ保健業者安全試験所が策定する製品安全規格で、ラベルの製造過程において使用できる材料などが細かく規定されています。認証には、製造方法や材料の管理方法などが適切に運用されているか抜き打ちでの監査を受ける必要があり、認証を受けていない工場では作ることができません。また、UL認証がない電気製品はアメリカやカナダでの販売が困難です。「お客様からの要望は強いものがあります。厳しい監査をクリアしているということは大きな信用につながっていると思います」。

UL規格ラベル
UL規格ラベル

関連事業との相乗効果で
成長を続ける

2010年にシーク電子工業の事業譲渡により設立された電子機器事業部も、今では大きく成長してきています。もともとシーク電子工業の技術力は高く、複数のモーターを同時に制御するFPGA技術は黎明期から様々な実績を重ねてきました。この技術は、放射線ガン治療器で悪性部位だけに放射線が当たるようにするためのガード板の動きを制御したり、大型施設の天体望遠鏡が地球の自転を考慮しながら星を追尾する動きの制御などに応用されているとのことです。
また、グループ会社の東洋ケースは、現在は雑貨の開発・販売事業を展開しており、新商品の開発で連携するなど関連事業との相乗効果も出てきています。

電子機器事業部を設立したことで回路設計も可能に
電子機器事業部を設立したことで回路設計も可能に

きめ細やかな対応が
お客様の信用に

本社に併設された工場を見学させてもらったところ、印刷業でありながら、精密機械の製造工場のようなクリーンルームやブースが設置されていました。棚にはおびただしい種類の製品が、整然と管理されています。「毎日100種類、月間にすると3000種類ぐらいの製品を出荷しています。営業から製造現場への流れはすべてシステムでつながっており、お客様からのオーダーに的確な製造管理ができるようになっています。おそらく、お客様よりも製品に詳しいという場合もあるのではないでしょうか。ここまでのきめ細やかな対応というのは、他ではなかなかできないと自負しています。配達の正確性やトラブルへの早期対応など、ものだけではないサービスを含めた品質をお客様には評価していただいていると思います」と仁藤氏。

工場内にはクリーンルームも完備
工場内にはクリーンルームも完備

失敗が独自のノウハウになる。
チャレンジし続ける大切さ

東洋レーベルは、シール印刷から始まり、シルクスクリーン印刷や回路印刷、そして電子機器事業へと、さまざまな業態へのチャレンジを続けています。なぜここまでチャレンジできるのかを聞いてみると、次のように答えてくれました。「我々は常に新しい発想で取り組んでいかないといけないと思っています。これまで多くの失敗を重ねてきました。元野球選手のイチローでも打率3割5分なんですから。何か新しいことをすると、だいたい最初は失敗なんですね。失敗しながら乗り越えていくことが独自のノウハウになります。はじめから成功してしまうようなことは、おそらく誰でもできてしまうことなのですね。社歴は長いですが、ベンチャースピリットはあると思います。社長は80歳過ぎて、今でも商品企画をやっていますから」。

常に新しい発想をと語る仁藤氏
常に新しい発想をと語る仁藤氏

市場を作る仕事をしたい

スクリーン印刷の業界は、量産の仕事がほとんど海外に行ってしまったため、全体的に見てとても厳しい状況だと言います。その中でも、東洋レーベルは、お客様との信頼関係を深め、新規事業を生み出すことで、その波に飲み込まれず成長を続けてきました。「いくら良い技術を持っていても、ニーズがなければ仕事は来ないですよね。しかし逆転の発想で、自分で仕事を作ったらいいんじゃないかと最近は思っています。自社で市場を切り開くような製品を開発してコンシューマ向けに提供していこうとか、海外に打って出ようとか、今後はそういうことをしていきたいですね」と仁藤氏は目標を語ってくれました。

立体転写シール技術を用いた壁掛けの前に立つ仁藤専務取締役
立体転写シール技術を用いた壁掛けの前に立つ仁藤専務取締役

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株式会社東洋レーベルは、失敗も糧に、独自のノウハウを築き、さまざまな業態へと
チャレンジし続けるベンチャースピリットの溢れる会社でした。
「技術があって製品を開発できたとしても、一番難しいのはものを売ることです。
そこを公的な信用力のあるジェグテックに期待したいと思います」と仁藤氏は期待を語ってくれました。

ジェグテックはさまざまな会社が自社の技術、製品、サービスをアピールできるビジネスマッチングサイトです。
株式会社東洋レーベル様のように、パートナー企業や自社技術のアピール機会を探している多くの企業様にご利用いただいております。
これまで出会えなかった企業様とのビジネスマッチングの機会が得られますので、今後ともぜひジェグテックをご活用ください。

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