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生分解性プラスチックの研究開発から製品化まで手がける最先端企業

GSアライアンス株式会社 代表取締役 森 良平 氏

従来の石油製品ではなく、天然物由来100%の素材を使った生分解性プラスチックを開発しているのが
兵庫県川西市のGSアライアンス株式会社です。
生分解性プラスチック材料を生産するとともに、最先端の技術によって自社での成型を実現し、製品化も進めています。

生分解性プラスチックは土壌や水中の微生物によって分解されるのでゴミが発生せず、海洋マイクロプラスチックなどの環境問題の解決が期待されています。また、石油を使わないので二酸化炭素の排出抑制にもつながります。

目標は「石油化学製品を全て天然素材由来の製品に置き換えること」と話す森良平代表取締役社長に、開発の背景を聞きました。

石油を原料とせず生分解性もあるプラスチックを製造
カーボンニュートラル等に貢献する製品・サービスの特長

GSアライアンスは環境やエネルギー分野の最先端材料を研究開発するとともに、製造と販売まで手がけている企業です。インクなどの製造を行っている冨士色素株式会社の内部ベンチャー企業として、工学博士でもある森良平社長が脱炭素、カーボンニュートラル社会の実現のために貢献する製品を開発しようと、2010年に設立しました。

研究分野は生分解性プラスチックやバイオプラスチックをはじめ、次世代型の蓄電池、太陽電池や燃料電池などの各種電池材料、それにバイオエタノール、量子ドット、金属有機構造体、ナノ微粒子などの各種機能性材料まで幅広く手がけています。

海洋プラスチックごみが世界中で問題となるなかで、注目を集めているのが生分解性プラスチックです。生分解性とは土壌や水中の微生物などによって分解する性質のことで、ごみが生じないのが最大の特徴です。

生分解性プラスチック材料を生産する企業や、原料として使って製品を作る企業は他にもあります。プラスチックの材料や製品は4つの指標でわけることができます。1つ目は石油から作られていて、生分解性がない製品。2つ目は石油から作られていて生分解性がある製品です。3つ目は天然物を原料にしていて生分解性がない製品で、スーパーのレジ袋が代表的な例です。そして4つ目が天然物を原料にして生分解性もある製品です。

デンプンや植物など天然由来100%の原料を使って、生分解性があるプラスチック材料を製造しているのがGSアライアンスです。さらに、従来は難しいとされた生分解性プラスチック100%の製品の開発に取り組み、商品化を実現しました。

独自の成形技術を開発して大量生産を可能に
機能/特長/強み

ただ、製品化に向けてはハードルがありました。ひとつは、天然由来100%の原料からは樹脂ペレットなどの小さなプラスチック材料を作ることができても、固まりにくいため成型が難しいことです。もうひとつは、コストの問題です。石油製品に比べると、天然物から作るプラスチックは原料の価格が高くなります。さらに成型が難しいために大量生産ができず、製品を作っても石油製品よりもはるかに高い販売価格の製品しかできないと考えられていました。これらの課題は、生分解性プラスチックを手がける世界中のメーカーが抱えている共通の課題といえます。

GSアライアンスでは、成型とコストの課題を解決しようと向けて研究を進めました。試行錯誤した結果、天然由来100%の生分解性プラスチックを成型する技術の開発に成功します。さらに、成型して製品化するラインを増やしていくことで、ある程度の大量生産が可能になる見通しも立ちました。石油製品よりは少し高くはなるものの、環境への貢献を考えれば受け入れてもらえるレベルまで製品価格を下げられると森社長は手応えをつかんでいます。

生分解性プラスチックでつくる製品が増えていけば、海洋プラスチックごみの削減に加えて、二酸化炭素の排出抑制にも貢献します。GSアライアンスで使っている原料は、デンプン、セルロースのほか、古紙や再生紙、それに植物や廃木材です。

セルロースナノファイバー複合100% 天然バイオマス系生分解性樹脂ペレット
セルロースナノファイバー複合100% 天然バイオマス系生分解性樹脂ペレット

その理由を森社長は次のように説明します。
「植物はすでに成長過程で二酸化炭素を吸収しているので、分解されることとあわせて、石油製品よりも二酸化炭素の排出量が抑えられるといった試算もあります。もちろんごみを減らせば、ごみの運搬や焼却の際に排出する二酸化炭素も減らすことができます。環境を守るために、できるだけいいとこ取りをしようと考えました」

生分解性プラ製品をB to Cでも提供へ
具体的な使用シーン、ターゲット、使用例、活用実績

GSアライアンスでは生分解性プラスチックの樹脂ペレットを国内外の大手メーカーなどに原料として出荷するとともに、成型の技術を生かした製品の製造体制を国内で構築しつつあります。

具体的な製品としては、現在は石油製品のプラスチックが主流のスプーン、フォーク、皿、コップなどです。ほかにも、歯ブラシやボトル、ペットボトルの蓋なども開発しています。

これらの製品の生産ラインを国内で新設していて、大量に生産することで、従来の天然由来製品よりも安く提供できることを目指しています。

また、反響が大きいのがネイルチップです。

天然由来100%のプラスチックという環境にやさしい素材が注目を浴びています。販売価格を購入しやすい金額まで下げることができるとして、森社長は今後自社でインターネットのサイトを整備して、BtoCの販売に取り組んでいきたいと話しています。

「生分解性プラスチックの製品はどうしても価格が高くなります。ただ、女性や若い世代のみなさんのなかには、安さだけを重視するのではなく、品質の良さや環境への貢献など、製品の価値を理解していただける方も多いと感じています。もちろん、できるだけお求めやすい価格になるように生産体制を整えていきたいです」

天然物を原料とした生分解性プラスチック材料から製品までを一貫して製造している企業は海外ではヨーロッパなどにあるものの、国内ではGSアライアンス以外にはほぼありません。製品化にまで取り組むことで、材料としてのみ出荷するよりも利益も増やすことが出来ることから、今後は製品の大量生産に力を入れていく考えです。

石油化学製品を全て天然由来の製品に
カーボンニュートラルの取り組み又は企業の特長

石油化学製品はプラスチック以外にもさまざまなものがあり、樹脂やゴム、接着剤のほか、塗料、ペンキ、インキ、潤滑剤、化粧品、コーティング材料など、種々の化学製品の多くが石油から作られています。森社長はこうした製品を全て天然由来の製品に変えていきたいと意気込んでいます。

「20世紀はあらゆる化学製品は石油から作られていました。当社では石油化学製品を、全て天然由来の化学製品に置き換えたいと考えています。特にコーティング素材はあまり知られていないかもしれませんが、スマートフォンの表面や家具、車、建材など、本当に多くのところに使われています。また、生分解性プラスチックのレジ袋といっても、表面に石油化学製品の塗料が使われていれば生分解できません。コーティング素材、塗料、インキについては冨士色素の技術を融合させています。あらゆるものを天然由来の素材で生分解性があるものに変えていきたいです」

GSアライアンスでは、中小機構の海外CEO商談会や国際化支援アドバイス等の支援施策を活用し、すでに海外展開も進めています。アメリカのボストンに営業拠点を置いて森社長自らが商談に臨んでいるほか、近くヨーロッパにも拠点を置く予定です。生分解性プラスチックの活用はヨーロッパを中心に認知が広がっていますが、それ以外の地域ではまだまだで、森社長はビジネスチャンスは世界中にあると感じています。

「アメリカでもまだまだ石油化学製品のプラスチックが大量に捨てられている現実があります。生分解性プラスチックの技術はこれからさらに世界中で求められるのではないでしょうか。当社の技術で他社よりも早く展開していきたいですね」

各国がSDGsの目標達成に取り組むなか、石油製品のプラスチックから天然由来の生分解性プラスチックへの転換はさらに必要になって来ます。GSアライアンスの技術が広がるのはこれからです。

ABOUT COMPANY

GSアライアンス株式会社
兵庫県川西市小花2-22-11
受賞実績:新価値創造展2015 in Kansai ベスト H!NT賞 など
(株式会社エコマスター)
資本金:10万円(親会社の冨士色素株式会社は3000万円)
従業員数:100名

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