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日本の温室効果ガス排出量の8割が企業から

アスエネ株式会社

CO2排出量の見える化・削減・報告のクラウドサービス「アスゼロ」を提供しているのが、東京都港区のアスエネ株式会社です。
カーボンニュートラルの達成に向けては企業のCO2を主にした温室効果ガス排出量の削減が急務ですが、
どれだけ排出しているのか把握できていない企業が多いのが現状です。
「アスゼロ」は企業のCO2排出量のデータを自動収集して見える化し、削減実行までワンストップで提供します。
「アスゼロ」の事業展開について聞きました。

日本の温室効果ガス排出量の8割が企業から
カーボンニュートラル等に貢献する製品・サービスの特長

アスゼロはCO2排出量の見える化・削減・報告をするクラウドサービスです。もともとクリーン電力サービスの事業を展開していたアスエネが、21年8月に新たなサービスとして開始しました。事業の特長は、企業のCO2を主とする温室効果ガス排出量の可視化だけでなく、削減するソリューションを、ワンストップで提供できることです。

企業向けのサービスに特化した背景には、日本が抱える大きな課題があります。政府は2020年に、カーボンニュートラルを2050年に達成することを宣言しました。しかし、現状では達成は厳しい状況と言わざるを得ません。2018年のデータでは、世界のCO2排出量は年間335億トンで、そのうち日本は11億トンと、国土面積に比べて高い割合を占めています。日本の11億トンのうち、家庭から排出される量はわずか15%で、企業からの排出量が80%を占めます。つまり、カーボンニュートラルを達成するには、企業が排出するCO2の削減が不可欠なのです。

ただ、自社がどれだけCO2を排出しているのか、把握している企業は多くないのではないでしょうか。サービスを導入する前の企業の状況を、広報の伊集氏は次のように説明します。

「自社がどれだけの量のCO2を排出しているのか、ご存知ない企業がほとんどです。一部の大企業で把握しているところもありますが、その場合はエクセルにデータを入力しているケースが多く、その作業だけで多くの工数がかかっています。データの収集にも時間がかかり、集めたデータを手作業で転記するので誤りも出てきます。また、排出量を算定する際に使用する排出原単位も、環境省が毎年更新するので、担当者には大きな負担がかかっているのが現状です」

見える化、効率化、削減をワンストップで提供
機能/特長/強み

このように、CO2排出量の把握ができていない、もしくは把握につとめているけれども膨大な工数が生じている企業に対し、排出量データの見える化と算出、それに削減するソリューションまでワンストップで提供するサービスがアスゼロです。

アスゼロには大きく3つの特長があります。

1つ目はデータをスキャンするだけで、あとは自動で見える化ができることです。スキャンされたデータをもとにAI-OCRの技術と人力で算出されるので、企業側での作業は大幅に削減されます。一般的に、企業が自社でCO2排出量を把握する場合、6カ月間かかると言われていますが、アスゼロでは6週間で把握でき、70%も工数を削減できます。

2つ目は、算出したデータを、シンプルで使いやすいUI・UXによって管理できることです。円グラフや棒グラフなどによって、排出量の全体像やScopeごとの消費量などが一目で分かることから、排出量が多い項目やその原因などについて、簡単に分析ができます。これらのサービスはクラウドで提供されるので、社内に専門的な知識をもった担当者がいなくても、問題なく業務を進めることができるうえ、異動の際の引継ぎも容易です。

3つ目は、見える化で終わるのではなく、排出量の削減に向けたソリューションを提案し、実行できることです。アスエネが持つノウハウのほか、総合商社の兼松や、大阪ガスエナジーとも提携していることから、クリーン電力の導入や省エネ技術の活用、エネルギーの転換、カーボンオフセットなど、さまざまな削減方法を提案できます。

この3つの特長をワンストップで提供できるところが、アスゼロの強みでもあります。

企業のニーズに応じて柔軟に対応
具体的な使用シーン、ターゲット、使用例、活用実績

アスゼロは2021年8月にサービスの提供が始まり、わずか1年で450社以上(全て有償)と契約するなど、急激な成長を見せています。サステナビリティな事業に取り組む有名企業から、これからCO2の排出量削減に取り組みたいと考えている上場企業、それに中小企業まで、幅広い規模や業種の企業に導入が進んでいます。

どこまでアスゼロの機能を提供するのかも、企業のニーズによって柔軟に対応することが可能です。温室効果ガスの排出量を算定する場合、排出の理由によってScope1かScope3まで3つの区分があります。Scope1は自社での燃料の使用や、工業プロセスにより直接排出した温室効果ガスの排出量を指します。Scope2は他社から供給された電気や熱、蒸気を使用したことによる間接排出の温室効果ガスの排出量です。Scope3は1、2以外の事業活動に関わる上流・下流のサプライチェーンの排出量です。

近年、大手メーカーのサプライヤーである中小企業に対して、排出量の削減要請が強まっています。この場合はScope1とScope2の削減が求められるケースが多いです。アスゼロであれば、中小企業は必要なステップだけを導入することが可能です。

一方で、上場企業には以前よりもサステナビリティの取り組みが求められています。東京証券取引所は2021年6月にコーポレートガバナンス・コードを改訂し、プライム市場とスタンダード市場については、気候変動の取り組みの情報開示を要請するようになりました。国際イニシアチブのTCFDと同等の情報開示を求められますが、アスゼロではサプライチェーンの可視化に加えて、TCFDやCDPなどの回答、報告についても支援します。

環境への対応はコストの上昇が懸念されますが、アスゼロでは必要な作業の削減と、省エネルギーや再生可能エネルギーの見直しも行うことで、コストの削減も実現できます。

金融機関との連携拡大や海外展開も進める
カーボンニュートラルの取り組み又は企業の特長

アスエネでは「次世代によりよい世界を」をミッションとして、日本や世界でグリーンテクノロジーを活用した事業を展開しています。

社内向けに10のバリューを設定し、10番目には地球とプロダクトを愛することを掲げ、サステナビリティの取り組みを推奨しています。二酸化炭素を排出しない太陽光発電などの電力を使用する、マイボトルを持つ、環境問題の解決に取り組むアプリケーションを使うなど、従業員それぞれが環境への取り組みを実施しています。

社外に対しては、金融機関との連携強化を進めています。現在金融機関には、地域の中堅・中小企業からCO2の排出量削減についての悩みが殺到しています。金融機関としては融資先の企業に対して協力したいものの、排出量削減についての知見がありません。アスゼロと連携することで、融資と連動した排出量の見える化サービスなどを展開できます。

アスゼロのサービスは国内で大きく伸びる一方で、今後アジア・海外展開も迅速に実行していきます。CO2の排出量削減はアジアの国々でも大きな課題になっていて、脱炭素化を支援するソリューションの需要も高まっています。アスエネでは遅くとも2022年末には海外拠点を置いてアスゼロのサービスの提供をはじめ、将来的には日本のみならず、世界中でワンストップソリューションを展開していきます。

ABOUT COMPANY

アスエネ株式会社
東京都港区虎ノ門1丁目17ー1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階 CIC TOKYO
受賞実績
東洋経済「すごいベンチャー100」厳選7社 ESG部門トップ選出(2022年)
「IVS2022 LAUNCHPAD NAHA」3位
「Forbes JAPAN Rising Star Award」(2021年)
「Forbes JAPAN 100」(2021年)
資本金:23億8250万円
従業員数:80名

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