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熊本特集(2)
医療現場の変革へ。画像処理・ロボット制御技術を軸にした研究開発型企業

オオクマ電子株式会社 代表取締役社長 大隈恵治 氏

ABOUT COMPANY

オオクマ電子株式会社は、医療関連電子機器、電子制御装置、画像処理装置等の開発・製造メーカーで、
熊本県が創設する「リーディング育成企業」として認定されています。
積極的な自社製品の開発を進め、受託型企業から
開発・製造メーカーへの転換を遂げた熊本県を代表する企業です。
複数の有力な技術を持つ同社は、この技術を組み合わせて今後どのようなビジネスを展開していくのか、
代表取締役社長の大隈恵治氏にお話を伺いました。

2つのコア技術で、受託型から自社開発製造企業へ。

長年受託開発型企業として、さまざまな企業からの要望に応えてきたというオオクマ電子株式会社。「その中で多くの技術を蓄積し、当社の技術に磨きをかけ続けてきました。しかし、今後新たなマーケットを開拓したり、新しい価値を作っていく上では、自社製品の開発が必要不可欠であると感じています」と語る大隈氏。2002年頃から積極的に自社製品開発を進め、実際に市場への投入を進めているのだそう。「当社のコアコンピタンスは“ロボット制御技術”と“画像処理技術”。この2つのコア技術を活かし、これらを組み合わせて製品開発を行えていることが、当社の最大の強みですね」。

オオクマ電子株式会社 代表取締役社長 大隈恵治氏 システムイメージ
上:オオクマ電子株式会社
代表取締役社長 大隈恵治氏
下:システムイメージ

他社では真似の出来ない製品を開発。

2つの優れた技術を1社で保有していることから、オオクマ電子はそれぞれの技術の特性を最大限に活かした製品の開発に成功。それが、使用済みの医療材料を自動認識する「スペーサー」なのだと言います。「このスペーサーには、先ほど述べた当社のコア技術がふんだんに使われています。通常であれば、ロボット制御と画像処理は別企業の技術を活用することが多いのですが、当社はそれぞれの領域を上手く融合させ、シナジーを生み出した結果、他社には真似の出来ない製品の開発に成功しました」。続けて大隈氏は、その魅力をさらにこう語ります。「スペーサーは、これまで病院の看護師の方が手作業で行っていた使用済み医療材料の確認・分別作業を自動で識別し、データとして登録できる製品です。これにより、病院の診療報酬の請求漏れを防ぐことと、看護師の人件費を抑制することができ、大きなコストメリットを導入病院に提供できます。また、各病院で使用されたデータは当社のデータベースに蓄積しビッグデータ化することで、症例別、医療材料別等に応じた標準的な単価等を利用者へ提供可能となり、病院における原価マネジメントシステムとしての一役を担うこともできます」。病院というまだまだ改善の余地の高い分野において、同社の製品は医療マネジメントの改善ツールとして大きな可能性を秘めていると言え、すでに9つの病院がスペーサーを導入し、また医療専門商社が約50台のスペーサーを病院に貸し出しているとのことです。

SPASER(国内向け) Cumulus(米国向け)
上:SPASER(国内向け)
下:Cumulus(米国向け)

海外展開、さらには医療業界以外のマーケット開拓も。

海外マーケット開拓へのお考えを伺うと「スペーサーの展開においては、国内のみならず、特にアメリカ市場にターゲットを絞って今後展開していくことを考えております」とのこと。アメリカ向けスペーサー「Cumulus」の大きな強みは、各病院で利用されている病院商材の利用状況・単価等をすべて把握できることだそうで、今後そのデータを活用して病院の経営改善に役立てることが見込まれていると言います。「アメリカにおいては、Cumulusの持つ強み・提供サービスとシナジーの高い医療コンサル系企業とのマッチングを、ジェグテックを活用して実施できればと考えています。また、ジェグテックは海外企業とのマッチングに力を入れていると聞いていますし、当社ではアメリカ企業のほかに、台湾等の半導体製造メーカーとのマッチングも希望しておりますので、ジェグテックを通じて海外企業とのつながりを築くことができれば幸いですね」ともおっしゃっていました。

半導体製造メーカーという他分野の企業が挙がったところで、他分野進出への意向も伺うと、「当社の持つコアコンピタンスはさまざまな分野で活用が可能です。ひとつの分野に絞ることは難しいですが、今後物流業界や多間接ロボットを活用した製造現場等における当社技術の活用を狙っております」との力強いお答えをいただきました。「当社では常に顧客の意見に耳を傾けながら、保有している自社技術を活かして早いサイクルで製品開発を実施しています」。大隈氏のその言葉通り、電源技術を活かしたiPhoneの検査装置や、半導体製造における各種サービスの提供など、さまざまな製品・サービスをすでに開発。「今後も業種・業界にとらわれず、コアコンピタンスを活かした開発を行い、新マーケットの開拓を図っていきたい」と締めくくりました。

製品開発イメージ
製品開発イメージ

FROM J-GoodTech

オオクマ電子様は「ロボット制御技術」と「画像処理技術」の
2つの分野における高い技術力を有する企業で、
受託開発型企業から見事に開発・製造メーカーへと転進を遂げた企業です。
ハイスペックな技術を活かし、イノベーションの余地が高い医療分野に目をつけるなど、
マーケティング活動にも積極的で、日本市場のみならず、マーケットサイズの大きい海外市場にも目を向けておられます。
ジェグテックとしても、オオクマ電子様が狙う海外企業とのマッチングを
積極的に支援していきたいと思います。

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