J-GoodTech ジェグテック

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国内・海外市場動向

参加企業が海外進出における連携や情報交換の大切さを実感

〜「J-GoodTech Biz Match 2018」の参加企業による情報交換セミナーレポート〜

「ジェグテック」は、国内にある多数の優秀な中小企業が自社の技術・製品・サービスを
ウェブ上でアピールすることにより、企業同士がつながることを目的としたビジネスマッチングサイトです。
中小機構では、「ジェグテック」によるサイト上でのマッチングサポートに加え、
企業間のより強固な信頼関係を構築するためのイベントも不定期で実施し、
参加者同士が実際に顔を合わせるリアルな交流も促進。
2019年4月には、昨年9月から今年2月にかけて行った事業
「J-GoodTech Biz Match 2018」(Biz Match2018)の参加企業による情報交換セミナーを、東京・品川で開催しました。
「海外展開」という志を同じくする企業が「つながり」を求めて一堂に会するこの様子をレポートします。

海外企業との現地商談会に参加した“同志”20社が集結

「ジェグテックでの企業間のやり取りは基本的にウェブ上で行われるが、こうして生のイベントで直接顔を合わせることで刺激をもらえるし、鼓舞される」(株式会社新日本テック・和泉康夫代表取締役)。「情報収集という点で一社にできることは限られている。このような場で互いの情報を共有できるのは非常にありがたい」(HILLTOP株式会社・亀井洋平氏)。
これらは、2019年4月25日に東京・品川で開催された「J-GoodTech Biz Match 2018」(Biz Match2018)参加企業による情報交換セミナーの終了後に聞こえてきた言葉です。同セミナーには、昨年度の「Biz Match2018」で海外企業との現地商談会に参加した“同志”20社が全国から集結しました。
「Biz Match2018」とは、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)などの動きをビジネスチャンスと捉え、海外市場に活路を見出そうとする中小企業に、米・仏両国の現地企業とのマッチングの機会を提供することを目的とし、昨年度に行われた事業です。ウェブサイトによるマッチング支援のほか、フランスで2回、米国で1回の現地商談会が実施されました。
その参加者たちの連携強化を目的に開催された今回のセミナーでは、第1部に専門家による海外ウェブマーケティングの講義、第2部に「Biz Match2018」参加企業による事例紹介というプログラムを実施。会場では、ビジネスセミナーとは思えないほどアットホームな空気感のなか、参加者たちが時にリラックスして交流を深め、時に真剣な表情で情報収集に努めるなど、思い思いにセミナーに取り組んでいました。

海外展開におけるウェブマーケティングの重要性

最初に登壇したのは、国内外で多言語ウェブマーケティング事業を展開する株式会社インフォキュービック・ジャパンの山岸ロハン代表取締役です。講義のテーマは、海外展開を希望する企業にとっての共通課題である「いかにして自社を海外にアピールしていくか」。山岸氏は、自動翻訳や日本語サイトの焼き直しなどで「単に多言語サイトを用意しただけではNG」などと語り、「効果の高いウェブサイトを作るには、制作側と企業側とのパートナーシップが欠かせない」と、ウェブサイト作成時のエッセンスを説明しました。
参加者たちは、比較的安価で一定の効果が見込まれるというウェブマーケティングの特徴と重要性を再認識した様子。山岸氏の講義中、スクリーンに映し出された説明資料を撮影するなど、皆真剣な表情で聞き入り、終了後には「ターゲットではない人からのアクセスを減らすにはどうしたらいいか」と、より戦略的なアドバイスを求める質問が飛び出すなど、意欲の高さをのぞかせていました。

企業連携で北米展開を強化

休憩を挟んで行われた第2部では、「Biz Match2018」で海外商談会に参加した3社(日本ワヰコ株式会社、株式会社東新製作所、セールスワン株式会社)の代表者が登壇。それぞれの海外展開で苦労した点や成功のポイントなどについて説明しました。
はじめに登場したのが、創業89年に及ぶ日本ワヰコ株式会社の木下浩伸代表取締役です。同社は、発電機やコンプレッサーなどの連結部品として利用されているアルミコンロッド専門メーカーで、国内シェアは約7割。米国市場でも、空調冷凍用コンプレッサー部品におけるシェアは6割以上に及ぶといいます。
そんな同社は長らく商社を介して米国に部品を輸出していましたが、「この方法では、商品は売れても情報が入ってこなかった」と木下氏は語ります。そこで、代金回収などの手間やリスクはあっても、生きた情報を手に入れたいと現地法人を設立。そして今、「(日本のさまざまな企業が)米国市場に入り込む余地は大きい」と感じているそうです。ただ、米国企業の日本企業に対する注目度は想像以上に低いとも語り、「そんな状況ではやはり人と人が向かい合って対峙し、相手を振り向かせることが重要」として、連携先を見つけて事業を実施していく方法について言及していました。

続いて登壇したのは、株式会社東新製作所の石原幸一代表取締役です。同社は、自社が有する製缶板金加工の技術をさらに高め、パートナー企業のものづくりをサポートする研究開発型企業「東新Lab.」を発足。また、クライアントの販路開拓やスタートアップ企業の支援にも取り組むなど、企業間連携を推進しています。
そんな同社は「Biz Match2018」の米国商談会をきっかけに、テキサスでBtoC製品のマーケティングをスタート。実施にあたっては「何にでも使える多機能性を求める日本人と違い、一つのことに一つのものという専用性を求める米国人」にあわせ、製品の使用法を限定したそうです。ちなみに、同社のマーケティングを支援しているのはテキサス大学の学生たち。「学生とはいえその仕事ぶりはプロフェッショナル。年間で協力してもらえるプロジェクト数は限られているため狭き門ではあるものの、米国での販路開拓を考える際に、このサービスを活用できた点は良かった」と語りました。

直接顔を合わせることや情報共有の必要性を出席者たちは実感

最後に登場したのは、業務系ソフトウェアを開発するセールスワン株式会社の山本圭一代表取締役です。製造関連が多い「Biz Match2018」参加企業の中では少し異色ですが、IoT機器とRFID装置を活用して持出・返却を自動管理できる自社開発システムの海外展開をにらみ、フランスでの現地商談会に参加。その際に複数社から導入を打診され、今年8月に再度現地に入ることが決まっています。
そんな山本氏は、「Biz Match2018」で訪れたフランスの魅力にとりつかれたようで、「会社立ち上げからの5年で一番楽しい時間だった」と満面の笑みで振り返りました。関西圏の企業らで定期的に開催されている情報交換会にも「東京の会社だが、ぜひ参加させてほしい」と語り、「Biz Match2018」や同セミナーなどを通じて企業同士・個人間の交流が広がっていくことを歓迎していました。

ジェグテックでは、今後もこうした登録企業の交流促進を目的としたリアルイベントを開催していく予定です。
これまで知り得なかった企業同士の出会いの場として、今後ともぜひジェグテックをご活用いただければと思います。

J-GoodTech Biz Match 2018(Biz Match2018)の開催レポート動画はこちら

幅広く事業展開を目指す企業の方は、
ぜひジェグテックをご活用ください。

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