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国内・海外市場動向
2018.2.15

「目先の利益は追わない。
タイの長期的な成長のため、日本企業とつながっていきたい」

タイ工業省 産業振興局 起業家育成部 部長 Wijak Ratanasuwan氏

ABOUT THAILAND

日タイ修好130周年を迎えた2017年。互いのさらなる経済成長を実現すべく、日タイ経済関係の拡大が政府間で推進されています。
今回お話を伺ったのは、その中枢として工業分野の振興を担う、タイ工業省Wijak Ratanasuwan氏。
ITやバイオ燃料など、重点産業10種への投資促進を図る「タイランド4.0」「東部経済回廊(EEC)」といった政策が実行されていく中で、
タイ政府とタイの中小企業が、日本の中小企業へ本当に求めているものとは何か。
そこからどんなビジネスチャンスが生まれ得るのか。現在進行中の事例も交えながら掘り下げていきます。

今、タイ市場のキーワードは「機能性」。

「タイマーケットは今、過渡期を迎えています。コストや物流の効率化はすでに基本的価値として確立してきていて、付加価値としての機能性が重視される時代へと移行してきました」と、Wijak氏は語ります。例えば食品業界で言えば、Future Foodと呼ばれる、医療分野にも応用可能な「高機能食品」の発展が目覚ましいようで、食品加工技術のさらなる進化が求められているといいます。「タイでも近年、高齢化社会への対応が進められていく中で、そういったニーズは日本とそれほど変わらないかもしれません」。

バンコクの空撮写真

ビジネスチャンスを広げるのは、
人と人とのつながり。

Wijak氏によれば、「機能性」を重視するニーズに伴って、高い技術や高機能製品を有する日本企業とのビジネスマッチングを望む声も、タイ中小企業からは多く挙がってきているとのこと。「それに応える形で、我々政府も国内外でのマッチングの機会を増やし、事業提携や互いの販路拡大などの実現を目指しています」。そう語る同氏は、代理店経由でやり取りをしていたひと昔前の手法ではなく、現場同士の密なつながりを大切にし、技術移転や人材育成の支援に力を注ぎ続けているのだそう。「だからこそ、ジェグテックのようなビジネスマッチングサイトの存在はタイ中小企業にとって大きな助けになりますし、我々としても日本企業と実際に商談できる場の提供を積極的に行っている最中です」。その言葉通りWijak氏は、日タイ経済交流の環境を整えることで、既存のタイ中小企業のレベルアップを図るだけでなく、スタートアップ企業をはじめとする、新たなビジネス誕生の促進も試みていらっしゃいます。

タイ企業と日本企業の交流風景

将来性のある分野ほど、
パートナーを求めている。

タイマーケットにおいて、ニュービジネス誕生のポテンシャルを秘めた次世代産業としてWijak氏が挙げたのは、「ロボティクス」「航空・ロジスティクス」「バイオ燃料」「デジタル・IT」「医療・健康」の5分野。安定期を迎えた既存産業である「次世代自動車」「スマート電子機器」「観光」「農業バイオテクノロジー」「未来食品」の5分野に次いで、今後のタイ経済を牽引する重点産業であるとWijak氏は語ります。

しかし一方で、高い技術を持ちながら、思うように展開しきれていないタイ中小企業が多いのも事実で、それを打破すべく、日本企業とのビジネスマッチングが進んでいるのもこの分野とのこと。タイ市場への参入に積極的な日本企業との商談会を、Wijak氏をはじめとする政府側が整え、互いの企業のニーズを丁寧に摺り合わせながら事業提携や販路拡大に至ることで、成功へ結びつく事例が徐々に増えてきていると言います。

重点産業10種の投資促進エリアを示した図
タイ東部3県は重点産業10種の投資促進エリア

タイ国内でのマッチングを経て、
さらに舞台は日本へ。

例えば、Wijak氏に伺ったのが、自動車部品メーカーであるタイ中小企業「C.C.オートパーツ」と、日本の水処理企業である「株式会社研電社」とのマッチング事例。事業拡張を目指すC.C.オートパーツ社が、研電社の高度な水処理技術を活用し新製品の製造を実現するとともに、研電社はタイマーケットへの進出を果たし、Win-Winの関係を築くに至ったようです。

また、ITソフトウェア企業「Simat Soft」は、主力商品である物流向けの運輸管理システムが、日本の大手運送企業タイ支社に導入されたことをきっかけに、日本へのマーケット拡大も現在計画中とのこと。「Simat Soft社のように、タイ国内でのマッチング成功を経て、海を渡った日本市場においてもビジネスチャンスの可能性を探ろうとするタイ中小企業も少なくありません」。そう語るWijak氏の目にも力が入ります。

Simat Soft社製運輸管理システム
Simat Soft社製運輸管理システム"SKYFROG"のトップ画面

130年のつながりが、さらに深まる未来を。

今回ご紹介いただいた、C.C.オートパーツ社やSimat Soft社をはじめ、すでに成果をあげているビジネスマッチングの事例もありながら、Wijak氏はまだまだだと感じているご様子。「今後のビジネスマッチング拡大に向けたプランを立てていく上でも、やはりジェグテックの活用は欠かせません」と、おっしゃっていました。「"日本の優良企業が数多く登録されている、高品質のマッチングサイト"の存在を、まずタイ中小企業へ幅広く知らせていくとともに、登録を促すインフラ・法整備や、登録企業の管理を進めている段階ですね」。Wijak氏は現在、タイ中小企業に対してのスクリーニング(選別)、フォローアップ(持続的支援)、フィードバック(情報展開)、モチベーションアップ(意欲誘因)などを徹底して実施。ビジネスに対する情熱をもったタイ中小企業の精鋭と、信頼できる日本企業とをつなげる支援を、タイ政府として責任をもって、継続的に行っているとのことです。

「日本企業の皆さまに我々が抱く期待感と同様に、タイ中小企業に対しても大きく期待していただけるよう、官民一体となり意義のある経済交流を目指してまいりますので、ぜひ今後のタイマーケットにご注目ください」。最後にWijak氏は、力強くそう締めくくりました。

Wijak Ratanasuwan氏の写真

FROM J-GoodTech

日本企業との結びつきを、国をあげてますます強化しようとしているタイ。
そのビジネスチャンスを活かしきることは、日本の中小企業にとっても大きな転機になることと思います。
タイ企業に向けての自社アピールはもちろんのこと、これまで得られなかった
ビジネスマッチングの機会にもつながるジェグテックを、今後とも是非ご活用ください。

幅広く事業展開を目指す企業の方は、
ぜひジェグテックをご活用ください。

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