世界の航空旅客数は新興国などの経済発展等を背景に大きな伸びを見せ、今後20年間の新造商用機は4万機を超えると予測されています。また宇宙産業は、衛星通信や衛星放送のみならず、衛星による観測や測位で得られたデータを用いたソリューション提供といったビジネス領域の拡大や他産業への波及効果等、今後の市場拡大が見込まれる分野です。
足下では、新型コロナウィルス感染症拡大の影響による旅客需要減少、海外航空機メーカーによる減産が発表されるなど暗いニュースが続いていますが、2024年にはコロナ前の水準に回復するとも予測されています。経済産業省は、航空宇宙産業は重要産業であることに変わりないと位置づけています。
これまで日本メーカーは、航空機の機体部品や材料の製造、エンジンの国際共同開発など、航空機産業で存在感を発揮してきました。しかし近年は新興国にある欧米大手サプライヤーの現地子会社なども成長。競争が激化する状況で、優位性を保ち続けていく必要があります。また宇宙産業の分野では、各国で技術革新が進むなか、日本勢の競争力強化と事業の拡大が求められています。
国も航空業界への参入を希望する中小企業などに向け、取引のポイントをまとめた「航空機部品産業における生産管理、品質保証ガイドブック」を発行するなど環境を整備。関連業界の近隣中小企業が集まって連携する「航空機クラスター」も、全国に40以上生まれました。
例えば、精密加工技術の集積地として発展してきた長野県飯田市近隣の中小企業が組織する「エアロスペース飯田」では、共同受注により民間航空機、防衛機、人工衛星などに部品を提供。また中部エリアの中堅・中小企業が集まる「航空機部品生産協同組合(松阪クラスター)」では、航空機部品を効率的に一貫生産できる仕組みを整えました。
こうした航空宇宙産業分野の新規参入と既存の取引拡大をさらに推進すべく、経済産業省関東経済産業局と中小企業基盤整備機構では、「令和3年度 航空宇宙産業ビジネスマッチング」を共同で実施します。関東経済産業局の航空機分野の支援ノウハウをもとに、中小機構が運営するマッチングサイト「J-GoodTech」で大手バイヤー企業のニーズを公開。国内航空宇宙産業の競争力強化を目指し、両者の強みを生かしながら、航空宇宙産業分野に特化したマッチング支援を行っていきます。
今後さらなる市場拡大が見込まれる航空宇宙産業。興味をもたれた方は、是非以下の「令和3年度 航空宇宙産業ビジネスマッチング」のご案内のリンク先をご覧のうえ、チャレンジいただきたいと思います。