■ モビリティに関する近年の動向
自動車業界では、車のツナガル化(Connected)、自動運転化(Autonomous)、サービス・共有化(Service & Shared)、電動化(Electric)を総称したCASEと呼ばれる概念のほか、様々なモビリティをシームレスに繋ぐMaaS(Mobility as a Service)という潮流が、近年注目されております。こうした潮流によって、自動車を含むモビリティのあり方が今後大きく変革することが見込まれており、従来の延長線上にはない新たなモビリティサービスの創出が期待されています。
経済産業省関東経済産業局では、テクノロジーの進展によって生み出されるモビリティサービスがもたらす価値の拡がりを、下図のとおり、整理しております。今後、モビリティサービスの価値は、車両から、移動空間、そして都市(スマートシティ)へと拡がり、また、その拡がりの方向性は、大きく、快適・便利と、安全・安心に向かうと予測しております。
(出所)経済産業省関東経済産業局「平成30年度地域経済産業活性化対策調査
(自動車産業の変革の潮流を踏まえた新たな付加価値の創出とサプライチェーンの強化に関する調査)」
こうしたモビリティサービスは、単一の企業のみで生み出すことは難しいものです。次世代モビリティに関連する技術やサービス等に強みを有する企業と、既存の自動車業界の企業が連携し、お互いの強みを活かして取組を進めることが、新たなモビリティサービスを生み出すために重要となります。例えば自動運転を例にとると、認知、判断、操作という従来ドライバーが行っていた運転行動を、テクノロジーを活用することで自動化することが求められます。この時、完成車メーカのみで自動運転車を開発することは難しく、画像認識やAI、通信など、テクノロジー企業が持つ強みを活かしながら、自動運転車を開発していく必要があります。また、CASEやMaaSの進展に伴い、例えば軽量化に資する技術・製品へのニーズが高まっています。自動車関連メーカには、電池や通信機器そのものの開発だけでなく、動向・潮流を把握して既存技術・製品を改善していく必要性も生じています。
一方、日本では、少子高齢化や人口減少が急速に進んでおり、地域の移動の足を確保していくことは、様々な地域の共通課題となっております。このような地域課題の解決に向け、パーソナルモビリティや、オンデマンド型バス・タクシー、電動キックボードなど、新たなモビリティが続々と生まれています。
■ スマートモビリティチャレンジ推進協議会
2019年、こうした動きをより推進するべく、経済産業省と国土交通省は「スマートモビリティチャレンジ推進協議会」を発足しました。100以上の地方公共団体、150以上の民間企業が会員として参画し、会員間の情報共有、連携促進が行われています。
また、新たなモビリティサービスの社会実装のためには、実証実験も必要です。2019年度、2020年度の2カ年にわたり、経済産業省、国土交通省が連携して、実証を行うモデル地域を選定しました。
■ 経済産業省関東経済産業局の取組
上述のように、CASEやMaaSの潮流による自動車産業の構造変化に加え、経済社会構造が変革する中、多様な移動課題解決のため、経済産業省関東経済産業局では、モビリティサービスの社会実装プロジェクトの創出や、自動車産業等の競争力強化を図るための異業種連携の促進を支援する「e-JAMP」(広域関東圏先端モビリティプロジェクト)を2019年度より実施しております。e-JAMPでは、地域の交通課題の解決に向けた地方公共団体とモビリティ企業とのマッチングイベント「e-JAMP CONFERENCE」と、新たなモビリティサービスの創出が期待できる技術・サービス分野における、異業種を含めた企業間同士のマッチングイベント「e-JAMP CONNECTION」という2つのイベントを実施しております。2020年度のイベントの概要は以下のとおりです。
■ e-JAMP CONFERENCE(地方公共団体とモビリティ企業のマッチングイベント)
・2020年度開催イベント(詳細はこちらからご覧ください)
日時 | 2021年2月10日(水)14:00~16:00 |
場所 | オンライン(ライブ配信) |
主催 | 経済産業省関東経済産業局 |
事務局 | みずほ情報総研株式会社 |
協力 | 一般社団法人INSPIRE |
定員 | 100名程度 |
イベント概要 | 地域の課題解決に向け、モビリティの最新動向の紹介、地方の交通課題を解消するモビリティ企業の取組紹介、モビリティ活用を進める先進的な地方公共団体の取組紹介を実施 |
プログラム | 開会:経済産業省関東経済産業局 イントロダクション:一般社団法人INSPIRE 【講演】モビリティの最新動向の紹介:みずほ情報総研株式会社 【講演】モビリティ企業の取組紹介 ・株式会社ナイトレイ ・株式会社ZMP 【パネルディスカッション】先進的な地方公共団体の取組紹介 ・神奈川県横須賀市 ・横浜国立大学(横須賀市連携組織) ・長野県塩尻市 ・アイサンテクノロジー株式会社、三菱商事株式会社、ネクスト・モビリティ株式会社(塩尻市連携組織) 閉会:経済産業省関東経済産業局 |
お問い合わせ | 【e-JAMP CONFERENCE事務局】 みずほ情報総研株式会社 経営・ITコンサルティング部 担当:西脇、武井 電話:03-5281-5492 E-mail:e-jamp-conference@mizuho-ir.co.jp |
■ e-JAMP CONNECTION(企業間のマッチングイベント)
・2020年度開催イベント(詳細はこちらからご覧ください)
日時 | 2020年11月~ |
場所 | オンライン(YouTubeでの動画配信) |
主催 | 経済産業省関東経済産業局 |
事務局 | みずほ情報総研株式会社 |
協力 | 一般社団法人INSPIRE |
イベント概要 | 将来的に新たなモビリティサービス創出が期待できる以下の3分野において、異業種を含めた中小・ベンチャー、自動車産業等の大手企業とのマッチングイベントを実施。 分野(1)車内空間の新たな過ごし方 分野(2)新しい自動車保険・補償 分野(3)アフターサービス |
お問い合わせ | 【e-JAMP CONNECTION事務局】 みずほ情報総研株式会社 経営・ITコンサルティング部 担当:西脇、羽田 電話:03-5281-5492 E-mail:e-jamp-connection@mizuho-ir.co.jp |
※お申し込み等については各イベントお問い合わせ先までお願いいたします。
・2019年度に開催したイベント(e-JAMP CONFERENCE、e-JAMP CONNECTION)については、こちらからご覧ください。
■ 次世代モビリティサービス参入企業一覧
BOLDLY株式会社 | 株式会社E・ミニモ | 株式会社シンクトゥギャザー | 全日本空輸株式会社 | 株式会社高山自動車 |
ヤマハ発動機株式会社(J-GoodTechパートナー企業) | 株式会社陽報 | 株式会社Luup | 株式会社NTTドコモ(J-GoodTechパートナー企業) | 株式会社ナイトレイ(J-GoodTech登録企業) |
株式会社アプトポッド | 株式会社KYOWAエンジニアリング・ラボラトリー(J-GoodTech登録企業) | 株式会社フィールドオート | 株式会社SteraVision | 株式会社Empath |
株式会社スマートドライブ | ジェネクスト株式会社(J-GoodTech登録企業) | 株式会社メディカルプロジェクト(J-GoodTech登録企業) | OpenStreet株式会社 | 株式会社電脳交通 |
株式会社コア | エスディーテック株式会社 | 株式会社ALBERT | 合同会社WHITE MOTION | Hmcomm株式会社(J-GoodTech登録企業) |
株式会社アドバンスト・メディア(J-GoodTech登録企業) | 株式会社ZMP | アイサンテクノロジー株式会社 | 三菱商事株式会社 | ネクスト・モビリティ株式会社 |
■ 関連情報(リンク)
経済産業省関東経済産業局「平成30年度地域経済産業活性化対策調査(自動車産業の変革の潮流を踏まえた新たな付加価値の創出とサプライチェーンの強化に関する調査)」