J-GoodTech ジェグテック

国内・海外市場動向

「ASEAN医療機器CEO商談会&セミナー 2018」で
海外企業の真のニーズを探る。

2018年3月15日、16日の2日間にわたり、中小企業基盤整備機構は
参加費無料の中小企業向け「ASEAN医療機器CEO商談会&セミナー」を東京品川で開催しました。
ASEAN(東南アジア諸国連合)5ヶ国から42社の経営者を招聘。来場した日本の中小企業の皆様は、
顔を向き合わせる商談会を通じて経営者同士の関係構築を図るだけでなく、各種セミナーにも参加し
ASEAN市場のリアルな情報を収集していました。また同会場には、各国の医療機器協会のテーブルも設置。
ここでは、そこで伺ったインドネシア、タイ、ベトナム3国が抱える課題やニーズを詳しくレポートします。

輸入額縮小を計画中のインドネシア。今後はローカル企業との協働が鍵。

まずお話を伺ったのは、インドネシア医療・研究機器企業協会で事務局長を務めていらっしゃるアリ・グナワン氏。同氏は、インドネシアの医療機器マーケットの現状についてこう語ります。「今まさに、発展期を迎えているところ。2019年までに全国民を国民健康保険へ加入させる計画に伴い、政府は160億USドルもの予算を投じて医療サービス向上に努めています。当然、医療機器市場の急激な拡大も予想されますね。しかし一方で、医療機器市場の売上のうち93%を輸入品が占めているのが現状です。ですから、2035年までに輸入額の割合を45%まで縮小させようという計画も立てています」。そのお話を受けて、日本の中小企業に期待することを伺うと、「インドネシアのローカル企業とパートナーシップを結び、インドネシア国内で共に生産していただいた方が将来性はあると思います」とのお答えが。「例えば、土地や建物をインドネシア企業側が用意できれば日本企業側は参入しやすいですよね。反対に日本企業側には技術を教示していただく。ハード面はインドネシア、技術的なソフト面は日本、という形が理想的ではないでしょうか。もちろん、互いに信頼できる関係を築いた上での話ですが。そういった面では、ジェグテックを通じたつながりは非常に大切にしていきたいですね」。インドネシア政府機関向けの巨大マーケットにも参入できるなど、ローカル企業と手を組むことによるメリットは、日本の中小企業にとっても大きなものになると同氏は希望を持って語ってくださいました。

インドネシア医療・研究機器企業協会(GAKESLAB) アリ・グナワン 事務局長
インドネシア医療・研究機器企業協会(GAKESLAB) アリ・グナワン 事務局長

タイ市場への進出は、輸出ではなくタイ国内への積極的な参入を。

続いて、タイ工業連盟 医療健康機器製造業部会で事務局長を務めていらっしゃるスパポーン・チャムスワン氏に、同国の医療機器マーケットについて伺いました。「近年、さまざまな危機に直面しているタイ経済においても、その影響をほとんど受けずに安定した状態を継続できているのが、我々医療機器業界です。社会の高齢化が進んでいることもあって、医療機器はますます需要が高まり、さらなる市場拡大が予想されます。しかし一方、他のASEAN諸国同様、その大半を輸入品に頼っているのが現状で、今後は国内製造の割合を増やしていかなければならないという課題も抱えています」。その課題解決に向けて、「医療・健康」産業をはじめ重点産業への投資促進を図る政策「タイランド4.0」を実行しているタイ政府。20年後には、新たなテクノロジーを自ら開発できるまでに成長する見込みがあると言います。そうした動きの中、日本の中小企業に求めるニーズを伺うと、「手術用手袋など使い捨て医療品の製造は、タイ国内の企業でも充分賄えますが、特殊・複雑形状や精密機器の製造についてはまだまだ技術力も競争力も海外企業に及びません。ですから、高度な技術を保有する日本の中小企業の皆様には、輸出という形ではなく積極的にタイ国内に参入していただきたいですね。日本企業様単独での進出でも構いませんし、タイ企業と手を取りジョイントベンチャー企業を立ち上げていただくのもよいでしょう。いずれにせよ、タイ国内での製造率が上昇することに変わりはありませんし、それらの技術は確実に次世代へと引き継がれていきますから」。その言葉通り、共にタイマーケットを活性化させたいという熱意が同氏の姿勢からも強く伝わってくるお話でした。

タイ工業連盟 医療健康機器製造業部会(MEDIC) スパポーン・チャムスワン 事務局長
タイ工業連盟 医療健康機器製造業部会(MEDIC) スパポーン・チャムスワン 事務局長

適正な価格での輸出が、ベトナムでの長期的成功への道。

最後は、ベトナムの医療機器マーケットの現状と問題について、ホーチミン医療機器協会のド・トリウ・フン マネージャーにお話を伺いました。「ベトナム国内の医療機器メーカーは、品質面でも資金面でも多くの課題を抱えています。現在、国内マーケットのほとんどを輸入品が占めており、国内製造品のシェアはわずか1割程度。政府としては、国内製造の比率を高めていきたい思いもありますが、先程も述べた通り、技術力・競争力に課題のある国内企業にそれを望むのはなかなか厳しいのが現状です」。そこで重要になるのは、やはり輸入品だと同氏は続けます。「日本の中小企業の製品は、世界的に見ても非常に高品質で、ベトナム国内の病院にすぐにでも導入したい。ただ、ベトナムの相場と比較してしまうと日本製品はどうしても割高になってしまう側面もあります。ですから、日本の中小企業の皆様がベトナム進出をお考えならば、ベトナム市場に見合った適正価格を探っていただくと成功の可能性が大いに高まると思います」。また、もうひとつの進出の道筋として挙げていただいたのが、やはり現地での協働。「ベトナム企業とパートナーシップを結び、国内に工場を構え、ベトナム人を雇用していただければ、もちろんコストダウンにつながりますし、我々にとっても高い技術を学べるチャンスとなるため、互いに長期的なメリットが高いように感じます。その際、言語の差がこれまで大きな壁となっていましたが、ジェグテックのサポートが入ることによってその問題もクリアできるのでは期待しています」と、今後の展望を力強く語っていただきました。

ホーチミン医療機器協会(HMEA) ド・トリウ・フン マネージャー
ホーチミン医療機器協会(HMEA) ド・トリウ・フン マネージャー

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中小企業基盤整備機構では、今回ご紹介したASEAN医療機器CEO商談会の他にも、
ミャンマーCEO商談会など、日本企業との連携を希望する海外企業経営者等を招聘し、
各商談会ともに、ジェグテック掲載企業から優先的に商談が組まれ、全席に日本語対応可能な通訳を配置。
さらに、初めて海外企業と商談される方にも安心していただけるよう、
海外展開に精通した中小機構のコーディネーターがスタンバイしています。
参加企業を後押しする強力なサポートにより、新たな事業の可能性を肌で感じられる貴重な機会となりますので、
中小企業の皆様には、ぜひ今後もご参加いただきたいと思います。

幅広く事業展開を目指す企業の方は、
ぜひジェグテックをご活用ください。

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