J-GoodTech ジェグテック

マッチング成功事例

コロナ禍をジェグテックで広がったネットワークで助け合う

国際科学工業株式会社 代表取締役社長 濱野正子氏

ABOUT COMPANY

業務用洗剤や住宅用洗剤、化粧品・医薬部外品などの開発を手がける埼玉県新座市の
国際科学工業株式会社(以下、国際科学工業)は、クリーニング用洗剤の開発で1970年に創業。
以後、業務用から家庭用まで、幅広い化学製品の製造販売をしています。

創業した父、母の跡を継いだ3代目社長の濱野正子氏は、常日頃からビジネスのパートナー探しにジェグテックを活用。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなかでも、自社のビジネスだけでなく、取引先企業のマッチングにも取り組みました。
ジェグテックで広がったネットワークによって、どのようにコロナ禍を乗り切ろうとしているのかを濱野氏に聞きました。

コロナ感染拡大でアルコール除菌剤の容器が不足

国際科学工業は「きれいにする」をテーマに、独自に開発した洗剤などの化学製品を製造販売しています。業務用ではクリーニング工場、コインランドリー、介護施設・病院等の洗剤や消臭剤をはじめ、酪農、食品工場、自動車工場等のケミカル製品などを開発。最近では重機についたセメントの除去剤などを新たに開発するなど、各業界が抱える悩みを解決する製品を開発し製造しています。

アルクリナ/セメント除去剤
写真左:アルコール除菌・抗菌剤「アルクリナ」/ 写真右:セメント除去剤

家庭用でも、結露の液だれを防止するため吹き付けるだけで透明皮膜ができるスプレーや、日焼け止めスプレー、お肌の弱い方が安心して使用できる液体せっけん等、消費者のニーズに応える商品も手がけています。

SPF関連商品/ クールビズ関連商品
季節に合わせたスポット製品を開発 写真左:SPF関連商品/ 写真右:クールビズ関連商品

しかし、2020年に入って新型コロナウイルス感染症の拡大が始まると、国際科学工業の業務にも支障が出てきます。主力の商品として業務用と家庭用に製造しているアルコール除菌剤の原料や容器が品薄になり、膨大な注文を受けても製造できない状況が続きました。

「新型コロナの影響でアルコール除菌剤の注文が殺到して、数十トンのアルコールが必要になり、生産が追いつかなくなりました。さらに深刻だったのは、業務用も家庭用も容器が足りなくなったことです。原料のアルコールが手に入っても、容器がなければ出荷できません。何万個という注文が滞ってしまう状況でした」

容器が確保できた分だけ出荷するものの、注文に間に合わない状況が続きます。当時は国際科学工業だけでなく、仕入れ先でも原料や製品が入らず、どうすることもできないもどかしい状況でした。

「催促の電話が毎日頻繁にかかっていました。どこも物が入ってこないので、みなさんイライラしていましたね。それでもどうにもならない状態でした」

膨大な注文が入るのに、アルコールや容器が手に入らないことで、ついに製造できない状態まで追い込まれます。このままでは生産ラインが空いてしまい、経営的にも大きなマイナスが生じかねない状況になりました。

ジェグテックで緊急の仕事を受注

このピンチを救ったのが、ジェグテックに掲載されていた情報でした。薬品を充填する業務の依頼が、トピックスに出ていることを知ります。充填であれば、アルコール除菌剤の生産ラインを転用することが可能でした。濱野氏はトピックスを発信している企業にすぐに連絡を取りました。

所沢工場外観
写真は所沢工場。このほかに東松山にも工場を完備

「トピックスを見て今なら対応できると思い、承りますとお伝えしました。依頼は1週間で20万個というものでした。容器にラベルを貼るなどの手作業も多く発生するため、さすがに依頼のすべてに対応できる体制はなかったので、できる範囲ということで1万個の充填を引き受けました。それでもアルコール除菌剤の製造が止まりかけた時に、新たな仕事を見つけることができたのはよかったですね」

一方で国際科学工業も、コロナ禍で不足したアルコール除菌剤の容器を確保するために、折に触れて中小機構のアドバイザーに相談をしていました。すると、アドバイザーから対応できそうな企業があると連絡が入ります。紹介されたのは、海外から様々な資材を調達している株式会社セブンホーム(以下、セブンホーム)でした。

ただ、セブンホームで扱っていた容器は、国際科学工業の製品規格に合うものではありませんでした。それでも濱野氏は、今回は商談にはいたらなかったものの、セブンホームが取り扱う製品について話を伺っていました。

「雑談をする機会があって、もともとはステンドグラスやインテリア関係の販売を手掛けている会社だと知りました。そのほかにも防護服やビニール手袋、医療現場で使用するマスクなど、新型コロナ対策に使える資材を海外から大量に仕入れていると聞き、困っているところがあれば相談しますと話をしました」

すると、ほどなくして、セブンホームに相談する機会が訪れます。

介護施設などのビニール手袋不足を解消

国際科学工業の大きな取引先のひとつに、介護施設や病院などに業務用洗剤を納入している卸売業者がありました。この業者から、1回目の緊急事態宣言が発出されている頃に相談が入ります。

「感染防止のために使うビニール手袋が大量に必要なのに、全く手に入らず、どうにか手に入れる方法はないでしょうかと、かなり焦っている様子でした」

その時に濱野氏が思い出したのが、セブンホームでした。卸売業者に紹介すると、すぐに商談が始まります。最も資材が不足していた当時は、ビニール手袋を海外から輸入する場合は、最低でも数千万枚以上からでなければ取引ができない状況でした。それが、セブンホームの調整によって確保が可能になり、スピーディーにビニール手袋が卸売業者に納入されました。

国際科学工業のネットワークでセブンホームと卸売業者のマッチングが実現しましたが、濱野氏は紹介しただけで、取引には関わっていません。一般的には大きなビジネスチャンスのようにも思えますが、濱野氏は商売の損得よりも、コロナ禍という緊急事態に助け合うことに意義を感じていました。

独自に開発生産される洗剤や化粧品といった主力製品

「ビニール手袋を早く手に入れないと大変だと、卸売業者が本当に困っていましたので、間に入って取引するよりも直接商談してもらった方が早いと思ったからです。当社は原料を仕入れて、洗剤や化粧品などを製造するメーカーなので、間に入って物を売る取引をするよりも、自社製品を確実に製造することに専念しています。今回紹介したことで、卸売業者からはすごく感謝していただきました。困ったときはお互い様ですし、当社の洗剤も変わらず納入していただいているので、よかったのではないでしょうか」

大事にしているのは他社とのネットワーク

国際科学工業には研究開発・製造・営業部門があり、社長の濱野氏は営業を担当しています。コロナ禍を乗り切ることも含め、ビジネスを進める上では他の企業とのネットワークが重要な要因だと言います。

「誰かから企業をご紹介いただいて、その企業と話をしているうちに、新たなつながりができることがこれまでも多々ありました。商談に結びつかなくても、いずれ何かにつながるので、ネットワークづくりは常に意識しています」

その際に、濱野氏が活用している方法の一つがジェグテックです。以前は飛び込み営業もしていましたが、商談に結びつく確率は低く、コロナ禍では完全にできなくなりました。濱野氏はジェグテックを活用することで、商談のスピードが格段に上がったと感じています。

「その企業の情報や求めていることなどが、ある程度事前にわかるので話が早いですよね。トピックスやニーズを見て、こちらが判断するだけで商談が進みます。売り上げにも確実にプラスがあると感じています」

濱野氏が感じているジェグテック活用の課題もあります。それはジェグテックに掲載されるニーズやトピックスの各情報が多いこと、さらには製造業関連の情報が多いため、国際科学工業の分野である化学関連や充填依頼の情報を自力で探すことが大変な点です。この点も中小機構のアドバイザーのサポートを最大限活用しています。

「情報を全部チェックするのは難しいので、ピックアップしていただけるのはありがたいですね。紹介していただいたら、すぐにメールで連絡を取るようにしています。ニーズに合った製品を作るには、ネットワークとコミュニケーションが欠かせません。ネットワークを作るには自分たちで動くだけでは限界があります。これからもジェグテックを活用して、企業とのつながりを広げていきたいです」

従業員一同
元気いっぱい・チームワークも抜群のみなさん

FROM J-GoodTech

国際科学工業は中小機構が主催する展示会に参加していただいたことがきっかけで、
マッチングの場に積極的に参加していただくようになりました。ジェグテックには2016年11月に登録されています。

ジェグテックではコロナ禍に限らず、
日頃から不足しがちなアルコール用除菌剤などの容器を探すニーズを発信されています。
またトピックスやニーズを発信している企業の中から、業務とつながりがありそうな企業をアドバイザーからお知らせして、
積極的にコンタクトを取っていただいています。

セブンホームもジェグテックを介してつながった企業です。国際科学工業の事業については商談に至りませんでしたが、
ビニール手袋が手に入らずに困っていた卸売業者とマッチングしたことは、
常日頃心がけているネットワークづくりが、コロナ禍の危機を救った事例と言えるでしょう。

取引先やユーザーのニーズを汲み取りながら、独自の商品を開発したいと考えている国際科学工業に、
中小機構としてはこれからもジェグテックなどを通じた情報提供のサポートを続けていきたいと考えています。

 
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ぜひジェグテックをご活用ください。

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