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マッチング成功事例

金型製作の企業がアウトドアブランドを立ち上げ
-新規事業を実現したニーズ提案の活用とは-

株式会社サンライズエンジニアリング 代表取締役社長 赤坂太樹氏

ABOUT COMPANY

自社のアウトドアブランド「フェニックスライズ」を2020年10月に立ち上げた、
青森県五戸町の株式会社サンライズエンジニアリング
高い金属加工技術を生かして、薪ストーブなど多くのキャンプ用品を独自に開発・製造し、
着実に販売を伸ばしています。

もともとは自動車関連など幅広い分野の金型製作と部品製造を手がけていましたが、
2017年に社長に就任した赤坂太樹氏が全く異なる分野への参入を決意。

ジェグテックを活用してスタート時点から多くのアイテムを揃え、その後も商品を増やしています。
新規事業をどのようにして立ち上げたのかを赤坂氏に伺いました。

社員のモチベーションを上げるため新規事業を模索

ユニークな縦型の薪ストーブや、組立式のウッドガスストーブなどが話題になっている、青森発のアウトドアブランドが「フェニックスライズ」です。ブランドを立ち上げたサンライズエンジニアリングは、もともと金型製作や部品製造を手掛けてきました。金型でしかできない「絞り成形」を得意として、自動車関連、家電、農機具、医療機器などの金型を、メーカーの下請け企業などに納入しています。

金型製作風景
様々なリクエストに応える確かな技術力

しかし、2017年に父親の跡を継いで社長に就任した赤坂氏は、「この先もずっと金型製作だけでやっていけるのだろうか」と悩んでいたと言います。

「景気の波に左右される業界ですので、仕事の取り合いになれば価格を安くせざるを得ず、納期も自分たちでコントロールできません。自動車の部品の金型を作っているといっても、どの車のどの部分に使われているのかもわからない状態です。比較的若い社員が多いのですが、どうすれば彼らの働くモチベーションを上げて、ものづくりを好きになってもらえるのだろうかと、社長に就任して以来ずっと考えていました」

赤坂氏はある時、働き方改革のセミナーに出席します。セミナーの講師から、納期に振り回されて長時間勤務になる状況から脱却するためには、「自社で製品の値を決めて販売することが対策になる」と聞き、「自社の設備で何ができるのだろう」と漠然と考え始めました。

そう考えている時に、偶然出会ったのがキャンプです。知人に誘われて、最初はしぶしぶ参加しましたが、すぐに魅力にはまりました。新規事業のアイデアがひらめいたのは、キャンプ用品を買いに行った時でした。

「売られているキャンプ用品を見ているうちに、自社の設備で作れるものばかりだということに気づきました。実際に使ってみると、自分ならもっといいものが作れると思うようになり、次々とアイデアが浮かんできました。キャンプ用品であれば、お客さんの顔が見えるものづくりができます。それに、東日本大震災を経験しているので、電気がなくても生活ができる製品を作ることは、社会にもいくらか貢献できるのではないかと思いました。いろいろな要素が重なって、新規事業としてキャンプ用品を開発し、アウトドアブランドを立ち上げることを決めました」

他社にない高機能の製品開発にこだわる

キャンプ用品の開発に取り組みはじめたのは2019年6月。全くの新規事業ということもあり、赤坂氏は社内に開発チームを作るのではなく、まず自分が中心となって始めました。

「従業員に対し、トップダウンで製品の設計書作りを指示するようなことはしたくありませんでした。まず、私自身がレールを敷いて、流れができてから社内で体制を作ったほうがいいだろうと考えて、熟練工の従業員1人に手伝ってもらいながら2人でスタートしました。最初はほとんど私の発案と設計です」

デザインを学んだ経験がある赤坂氏は、自分でキャンプ用品の図面を書いて、次々と試作します。ステンレスの製品やバーベキュー用の鉄板など、一般的な道具を作る一方で、自社でしか作れない製品の開発にもこだわりました。

赤坂社長とデザイン
製品デザインをする赤坂社長

その一つが薪ストーブです。フェニックスライズの薪ストーブは、他社にはない縦型のデザインでコンパクト。ロケットストーブの原理を活用することで、燃焼効率や蓄熱性が高く、取り付けられた窓からは、焚き火のように炎が燃え上がる様子を見ることができます。この薪ストーブを生み出すため、会社の敷地で朝晩に焚き火を繰り返し、青森県産業技術センターの試験場で燃焼実験なども行いながら何度も試作を重ねました。

制作様子
製品制作の様子
試作の様子
試作の様子

「試作してはキャンプに持っていって、実践を繰り返しました。1年間で試作した台数は、10台どころではないですね。手の込んだ薪ストーブの開発こだわったのは、アウトドアブランドを立ち上げるにあたって、他社に真似されない製品を作りたかったからです。バーベキュー鉄板などはどこの会社でも作れるので、ニッチな製品である程度売れるものを目指しました」

他にも組立式のウッドガスストーブなどのオリジナル製品のほか、フライパンなど50ものアイテムをブランドの立ち上げに向けて開発しました。開発の過程で中小機構のアドバイザーから勧められたのが、ジェグテックの活用でした。

ジェグテックのニーズ提案に応募が殺到

ラインナップ
豊富な製品ラインナップ

フェニックスライズを立ち上げるまでに、サンライズエンジニアリングでは複数回のニーズをジェグテック上で発信しました。薪ストーブの窓に使う耐熱ガラスや、煙突を製作できる会社を探したほか、製品を大量生産できる体制がなかったため、2020年の春頃には製造パートナーを見つけようと動き始めました。

すると、ニーズを投稿した瞬間から応募が殺到します。1日に10件以上も応募が来て、すぐに締め切らざるをえないほど大きな反響がありました。

「それまでも金型の外注などでニーズを発信したことがありますが、応募はほとんどありませんでした。だから、こんなに反響があるとは思っていませんでした。新型コロナウイルスの感染が拡大した時期でもあったので、ジェグテックで積極的に仕事を取りにいこうとしている企業が多いのかなと感じました」

ニーズに対して応募があったのは40社以上。条件を見ながら半分ほどの会社と連絡を取り、見積もりを依頼し、最終的には数社に発注しました。試作が思い通りに行かずに追加費用が発生したケースもありましたが、販売開始に向けて順調に準備ができました。赤坂氏はジェグテックを活用したことで、自社製品の開発をスムーズに進めることができたと感じています。

「取引先を探す場合、飛び込み営業に行っても、何者が来たんだと思われるだけで、なかなかうまくいかず苦労していました。それがジェグテックでは、直接お会いしなくてもすぐに商談が始められるので、話が早いですね。登録している企業は中小機構の審査を受けているので、安心感もあります。ニーズはシンプルな文章で発信したのですが、その何倍もの長さの丁寧な文章で応募をいただき、改めてジェグテックに登録している企業の積極性や信頼性を感じました。初めから全てを自社で完結するのは難しいですから、新規事業を始める際にはジェグテックは有効なツールではないでしょうか」

販売は好調、ショップの開設も計画

フェニックスライズは2020年10月8日、報道関係者向けに製品発表会を開催して販売をスタートしました。当初揃えた50アイテムに加え、12月以降も新製品を投入して、スタートから半年もたたないうちに60アイテム以上を販売しています。

「青森発のアウトドアブランド」「高度なプレス技術を活用」と地元のメディアに取り上げられたほか、YouTuberから取材を受けたこともあって、TwitterなどのSNSを通じてキャンプ愛好家に知られるようになりました。

販売を始めた直後には、青森県新郷村とのコラボレーションも決まります。村内の「道の駅しんこう」にあるキャンプ場「間木ノ平グリーンパーク」を拠点にして、製品の実証実験や展示即売会などを開催。常に話題を発信して、売り上げを伸ばしています。

「爆発的に売れたらどうしようと思っていましたがそんなことはなくて(笑)、じわじわと売り上げが伸びている感じです。薪ストーブは製造した分は全て売れていて、これからどうやって製造台数を増やしていくかを検討しています。他にもバーベキュー鉄板が予想以上に売れていたり、これは売れるだろうと思ったものが売れなかったりと、事業を立ち上げたばかりだからかもしれませんが、予想通りにいかないことも多いですね。用意しているアイテムはまだまだたくさんありますので、戦略を立ててイベントのたびに発表するなど、常に話題を提供しながら進めていきたいです」

ショップ開設準備
ショップ開店も進行中

赤坂氏は地元のファンを大事にすることも意識していて、アフターケアに対応するほか、ユーザーから持ち込まれたアイデアの製品化も検討しています。さらに、販売が好調なこともあり、2021年春には青森県内に常設のショップをオープンする予定です。

反響が大きく、モチベーションも上がった

赤坂氏が商品開発に取り組み始めてから、ブランド立ち上げまでの期間は1年4か月。わずかな期間で多くのアイテムを用意できた要因の一つは、ジェグテックによってパートナー企業と速やかにマッチングできたことでした。赤坂氏はもう一つの要因に、コロナ禍で金型の仕事が減少していたことを挙げています。

「キャンプ用品の開発は新型コロナの感染が拡大する前から進めていましたが、あそこまで没頭して多くのアイテムを開発できたのは、コロナの影響で金型の仕事が少なくなっていたからです。現場としては喜べない話ですが、不幸中の幸いでした。結果的にはコロナによって、社内のいろいろなことを転換できるきっかけになりました」

新規事業に取り組む理由でもあった従業員のモチベーションにも、いい影響があったと言います。

「メディアに取り上げてもらうなど地元の反響が大きかったので、従業員の様子も明らかに変わりました。自動車の部品と違って、使ってくれているお客様の顔も浮かびます。成功体験を繰り返すことで、モチベーションは上がっていると思います」

みんな笑顔
従業員のみなさん

ここ数年はキャンプブームが起きていて、フェニックスライズにとっては追い風と言えますが、赤坂氏はブームを冷静に受け止めながら、今後の展開を模索しています。

「最初は何がどれくらい売れるのかわからないので、まとまった数の製造委託はできませんでした。今はある程度見えてきたので、これからニーズの発信をする予定です。価格を抑え、安価により良いものを提供するため、海外での製造も考えています。現在はコロナ禍の影響も手伝い、キャンプブームではありますが、ブームに左右されないものづくりと、次の一手を考えながら、今はこの新規事業を拡大させていければと考えています」

FROM J-GoodTech

サンライズエンジニアリングの「フェニックスライズ」の立ち上げは、
新規事業を立ち上げる際にジェグテックを効果的に活用したケースです。

ニーズ発信に対して提案が殺到するなど、登録企業の感度が高かったことも印象的でした。
サンライズエンジニアリングと、ジェグテックに登録するものづくり企業とのネットワークが広がったことで、
今後はキャンプ用品以外にも、祖業である金型関連でも新たなマッチングにつながる可能性もあります。

赤坂社長からは開発を始めた当初から中小機構のアドバイザーに対し、さまざまなご相談をいただきました。
部品のニーズ提案だけでなく、マーケティング対策や長期戦略などについても、一緒に考えさせていただいています。

中小機構には、複数のショップから「フェニックスライズ」の商品を販売したいという相談も来ています。
今後の展望としては、海外のアウトドアブランドとタイアップしたOEMの製造や、海外での製造が視野に入ってきています。
ジェグテックでは海外企業へのニーズ発信や、マッチングのご相談にも対応できます。
引き続きご活用いただいて、中小機構としてもサポートを続けていきたいと考えています。

 
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ぜひジェグテックをご活用ください。

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