「リアルとウェブを組み合わせた
海外企業とのビジネスマッチングは、ジェグテックならでは」
株式会社アイ電子工業 代表取締役社長 高橋温 氏
ABOUT COMPANY
携帯中継局に使用されているアンテナ、オゾン水成生器、テラヘルツ非破壊検査装置、レーザー受光器、
レーザー墨出し器、半導体検査装置といった
自社開発商品の製造販売を行っている株式会社アイ電子工業。ベトナムのダナン市には、レンタル工場事業も展開しています。
今回、ベトナムにおけるレンタル工場事業の拡大に向けた、現地のパートナー企業とのビジネスマッチングに成功した同社が、
どのようにジェグテックを活用し海外企業とのマッチングが成功したのか、
代表取締役社長の高橋温(ゆたか)氏にお話を伺いました。
技術も、ノウハウも、チャレンジ精神も併せ持っていた。
設立30年の実績があり、多くのノウハウ、技術を蓄積してきた「株式会社アイ電子工業」。生産工程設計、検査測定ソフト開発、治工具開発、品質検査等を一貫して受託できる企業は、日本の中小企業としては稀有な存在と言えます。「たとえばオゾン水成生器は、特許を5件有して日本初の電気分解方式を開発し、性能を一段と高めています。テラヘルツ周波数帯を使用した非破壊検査装置も日本で初めて商品化し、特許を5件取得して用途を拡大しています」と高橋氏が語るように、同社は総合的技術、ノウハウを強みとしている開発型チャレンジ企業です。
自社の強みを広くアピールすべく、ジェグテックの利用を開始。
そうした多彩な強みを持った同社が、ジェグテックを利用するようになった経緯について高橋氏は「2007年頃、中期経営計画の策定や事業承継に際し、専門家の支援を受けたのが始まりでした。その後、販路拡大を課題として考えていた時に、中小機構からジェグテックを紹介いただき、自社の露出拡大や販路開拓につながると考え、ジェグテックの利用を開始しました」と当時を振り返ります。
登録企業の信頼性と多様性、コーディネーターの手厚さを実感。
実際にジェグテックを活用し始めて感じた具体的な利点を伺うと「これまでも民間企業等が運営するマッチングサイトは利用したことがありましたが、それらと比較すると次の点が挙げられますね。まず、国の機関が運営している安心感があり、登録企業の信頼性が高いこと。次に、日本全国を網羅した企業のネットワークと、その産業の種類の豊富さから、これまでにないつながりを期待できること。そして、コーディネーター(専門家)が丁寧にサポートしてくださることも他のマッチングサイトとの違いだと思います。たとえば“この会社と会ってみたらどうですか”と推薦していただくこともあり、最初はミスマッチングのケースもありましたが、次第にマッチング精度が高まり、実際に成約に至るケースも出てきました」と多くのメリットを挙げていただきました。
続けて高橋氏は「リアルとウェブを組み合わせた海外企業とのビジネスマッチング。これも、ジェグテックでなければできないことではないでしょうか。実際に、コーディネーターから必要な情報提供を受け、ベトナム企業とのスムーズな商談に繋げることができましたから」と語ります。同社は以前よりベトナムのダナン市でレンタル工場を運営していましたが、手狭になってきたために、ハイフォン市にレンタル工場を建設する検討を始めていたのだそう。しかしながら、当初は具体的なビジョンがないままに、ベトナム北部で事業展開できないかを漠然と考えていたと言います。「そんな中、ジェグテックのサイト上で、工業団地を運営するベトナム企業からの引き合い情報を目にして、中小機構が開催するベトナム企業との商談会で会うことに決めたのです」。
オンラインで得たニーズ情報を、商談会で互いに一致させる。
ベトナム第二工場設立の流れにまで至った今回のマッチングですが、その経緯をより詳細に高橋氏に語っていただきました。「当社の希望とマッチするベトナム企業を探すことに長らく苦労していたのですが、転機となったのはジェグテックの“ニーズ機能”で発信されたベトナム企業からの引き合い情報を見つけた時です。さらに、中小機構主催の“新価値創造展”でベトナム企業との商談会があることも知り、迷わず申し込みましたね。商談会では、初対面ながらお互いのニーズを摺り合わせることができ、商談会後も継続して商談を進められました」。一方ベトナム企業側では、日系企業の誘致に関して課題を抱えており、アイ電子工業社がダナン市の工業団地で培ったノウハウやサポート力を高く評価していただいたのだと言います。「その後、日本とベトナムを互いに行き来しながら関係を深め、契約の内容やビジネスプランを具体化させていきました。当社としても、ベトナム北部でのレンタル工場設立を検討していたところでしたので、お互いWin-Winの関係を築くことができましたね。中小機構に相談に伺ったところ、公的機関の融資制度を教えていただいただけでなく、ジェグテック大手パートナー企業とのマッチングもコーディネートしていただき、今回の事業の推進の大きな足掛かりとなりました」と、今後の展望についても触れていただきました。
中小企業同士の連携による相乗効果で、異分野参入や製品開発などの発展に。
最後に、ジェグテックの今後の活用についてお聞きすると「これまで当社は、ジェグテックを通じて国内の大手企業や海外企業とのビジネスマッチングに成功していますが、今後はさらに、ジェグテックに登録する国内中小企業同士でのマッチングにも力を入れていきたいですね。約8,400 社(2018 年3 月時点)を超える特徴的な日本の中小企業が登録されているジェグテックだからこそ、中小企業同士の連携による相乗効果は非常に高いと思いますし、当社は現在関東圏の企業数社とコンソーシアムを組んで異分野での新製品開発を行っていますが、そのような企業連携による異分野参入や製品開発などがジェグテック上でできれば面白いのではないかと考えています」との前向きなお言葉をいただきました。
FROM J-GoodTech
今回取材させていただいた株式会社アイ電子工業は、チャレンジ精神と、事業を成立まで粘り強く活動する企業精神の
両方をお持ちの素晴らしい企業です。ベトナム ダナン市のレンタル工場では、
進出した日本企業の評判を聞いて、新たに進出したい企業が問合せをしてくるほど。
ダナン市のレンタル工場の建設を依頼したベトナム現地企業とも良好な関係をお持ちで、
進出された日本企業が新たな拠点をベトナムに作るときに協力を依頼されると言います。
今後も中小機構では、こういったチャレンジ精神と課題を解決していく力をお持ちの中小企業に焦点をあて、
中小企業が多くの企業の目に触れるような活動を促進していきたいと考えております。