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長年培ってきたインジェクションの技術を、
未来に向けて転換させた中谷産業。

中谷産業株式会社 代表取締役社長 加藤正人 氏
営業部 部長 石井洋之 氏 / 営業本部 コスモビサ部 部長 鈴木祥一郎 氏

ABOUT COMPANY

CD・DVDケースの製造は国内No.1を誇り、プラスチック成形など樹脂加工の分野で
60年以上の実績を持つ中谷産業株式会社。設計から金型製作、試作、量産まで
一貫して手がける体制を構築し、多様な顧客ニーズに対応しています。
近年では、ホットメルト(接着剤)材料を使った「ホットメルト封止成形」をはじめ、
新たな技術力向上にも力を注ぐ同社の取り組みについて、代表取締役社長である加藤正人氏らにお話を伺いました。

パートナーのニーズに応え続けてきた歴史。

「当社は1951年に特殊鋼材販売会社として起業して以来、大手フィルムメーカーの製品に携わってまいりましたが、現在のようにプラスチック成形などの樹脂加工分野に特化し始めたのもその大手企業がきっかけでした」と、まずは自社の歩みについて語り始めてくださった加藤氏。「昭和の中頃まで、35mmネガフィルムの巻軸には板金が使用されていましたが、樹脂素材への完全移行に伴い当社もいち早く射出成形(インジェクション成形)の技術を投入し、先程の大手フィルムメーカーのフィルムすべてを当社1社で請け負うこととなったのです。そこから派生して、オーディオカセットテープやVHSビデオテープといったさまざまなプラスチック製品も受注するに至り、徐々に業務の幅を広げていきました。当社の沿革は、まさに大手フィルムメーカーと共に歩んできた歴史と言えますし、同社からの教え“品質第一主義”は今も当社のものづくりの根底に深く息づいています」。

これまで手がけてきたさまざまな大手フィルムメーカー製品
これまで手がけてきたさまざまな大手フィルムメーカー製品

CDケーストップシェアを維持しつつ、
次なる商材の確立も。

「その大手フィルムメーカーは、当社のような外注先を育てていく理念をお持ちの企業様で、仕事を発注いただくと同時に“フィルムやテープ以外で柱となり得る製品にトライしてみてはどうか”という助言もくださいました」。そうして、1990年代後半に製造を開始したのが、今や国内No.1シェアを誇るCDケースなのだそう。「ちょうどレコードからCDへと代替えが進んでいた時期とも重なり、需要は非常に高く、月産1,500万枚にのぼることもありました。近年はネット配信の台頭によって徐々にマーケットも縮小してきていますが、CDケースを手がけ始めかれこれ20年以上が経つ今でも、おかげさまで国内トップシェアを維持することができていますね」。とはいえ、全盛期と比較すると生産量が落ち込んでしまっているのも事実。そこで、CDケースに代わる次なる商材を確立すべく現在力を注いでいるのが「ホットメルト成形」と「コスモビサ」なのだと言います。

国内トップの生産量を誇るCD・DVD ケース
国内トップの生産量を誇るCD・DVD ケース

トータルコストダウンと
生産性向上に貢献する「ホットメルト成形」。

インジェクション成形で培った技術やノウハウを活かしながら、他企業が真似できない商品開発を進めた末、まず事業展開に成功したのがホットメルト成形とのことで、営業部部長の石井氏に詳しくお話を伺いました。
「ホットメルトとは、DIYでもお馴染みの接着剤の1種ですが、それを材料とした射出成形が当社の“ホットメルト成形”です。従来のポッティング工法や射出成形で問題視されていたのは、デリケートな電子部品に熱や圧力によるダメージを与えてしまうこと。また外装ケースが必要であったり、硬化時間が長時間であったりと、工数やコストも膨らみがちでした。そうした弱点を一気に克服したのがホットメルト成形です。外装いらずで、形状を低温で直接成形できるため、時間・材料・生産スペース・部品への負担、すべてが削減可能なだけでなく、デザイン性向上なども期待できます。ジェグテックを通じて広くアピールする際も、“軽量化”“部品点数削減”“工数短縮”といったキーワードを掲げさせていただいていますね」。

ホットメルト成形によって材料が削減された電子部品の一例
ホットメルト成形によって材料が削減された電子部品の一例

抗菌・消臭作用のある
新素材「コスモビサ」を主力商品に。

「ホットメルト成形と並んで、もうひとつ当社の柱として成長を遂げたのが“コスモビサ”という素材を使ったオリジナル健康商品群です」と、語ってくださったのは営業本部コスモビサ部部長の鈴木氏。「コスモビサは、実は当社が偶然発見した物質です。グループ会社が保有する採石場から掘り出された玉砂利の洗浄水(泥水)を、たまたま敷地内の一部の植木に毎日かけていたところ、そこだけ成長が早いことにある日気付きました。不思議に思い泥水に含まれる微粒砂を解析すると、98%という非常に高い遠赤外線放射率を持っていることが分かったのです。そこで私たちは、この物質を宇宙の微砂“コスモビサ”と命名し、商品化への研究開発に取り組むこととなります」。その後、何年もの歳月をかけ試行錯誤の末に誕生した、100%天然素材の特殊機能セラミック「コスモビサ」は、抗菌作用・消臭作用・吸湿作用など優れた機能を科学的にも立証。今や、セラミックバンや足裏シート、ネックレス、枕カバーといったさまざまな健康サポート商品に展開されています。

微粒砂を高温で焼結し機能セラミック化した「コスモビサ」
微粒砂を高温で焼結し機能セラミック化した「コスモビサ」

現状の課題解決に対して、ジェグテックを有効利用。

お話を伺う限り、ホットメルト成形もコスモビサも順調に発展している印象の同社ですが、決して課題がないわけではないと加藤氏は言います。「まずホットメルト成形に関しては、技術としては確立できたものの、お客様からの試作受注に辿り着くまでの道のりはまだまだ険しいですね。LED業界や自動車業界をはじめ興味を持っていただく企業様は多いので、コストダウンというメリットを武器にアピールを強化していきたいですし、今後ますますジェグテックも活用して、広く情報発信やニーズキャッチをしていければと思っています。一方コスモビサについては、開発から製造まで自社で行っているため、どう売っていくかという販売面での課題がありますね。遠赤商品は効能が目に見えづらく、せっかく良いものを作っても、その良さをお客様に伝えきれていない歯がゆさを解決できていません。現状の販売ルートは、通販会社1社との取引のみとなっていますが、やはり今後はジェグテックを通じて、販売を得意とする企業とのマッチングや、新たな販路開拓を実現したいと願っています」。

代表取締役社長 加藤正人氏
代表取締役社長 加藤正人氏

FROM J-GoodTech

CD・DVDケース生産で国内トップシェアを誇りながらも、
時代の流れを敏感にキャッチし、次なる商材を自ら手繰り寄せた中谷産業株式会社。
現状に満足することなく、常に新しい可能性を探り続ける姿勢がそこにありました。

同社のように、日本の中小企業には優れた技術や考え方を持った企業が多数存在していますが、
まだまだ世の中に知られていないのも事実です。
今後もジェグテックでは、このような特徴的な中小企業に焦点をあて、
より多くの方の目に触れるような活動を促進していきたいと考えております。

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